第12話のマニュアルは、仕事を知っている人が参照するための資料です。第13話では、それを初めて担当する人が一人で迷わず始め、困ったときに確認できる引き継ぎ資料へ変えます。
最初の一日を基準にする

引き継ぐ仕事を一つ選び、「何のための仕事か」「始める前に用意するもの」「最初の三手」「よくある迷い」「相談先」「完了後に残すもの」の順にします。背景説明を長くするより、初回に必要な行動を先に置きます。
AIには、マニュアルと担当者の説明を渡し、「新人が一人で最初の案件を進めるための手順と、必ず確認する場面を分けてください」と頼みます。AIの下書きを使っても、実際の新担当者に試してもらうことが検証になります。
できたかどうかを確認する
引き継ぎ後に、資料を見ずにできるかではなく、資料を見れば正しく進められるかを確かめます。質問が出た箇所は、第12話の共有資料へ戻して更新します。次話では、この説明を採用や外部協力者にも伝わる仕事紹介へ広げます。
実践

一つの業務について、経験者に10分で説明してもらい、AIで初回用の手順書にします。別の人が読んで詰まった箇所を追加しましょう。
例:初めての問い合わせ対応を任せるまで

引き継ぎ資料の冒頭に、「この仕事は、正確な返答より先に、適切な担当へ漏れなく渡すための仕事です」と目的を書きます。次に、使う共有窓口、FAQ、商品情報、相談先を示し、最初の一件は経験者と一緒に処理します。二件目からは、新担当が下書きを作り、送信前だけ確認してもらう形にします。
AIは説明を短く整える役には使えますが、社内にしかない判断基準を知っているわけではありません。新人が「どの資料が正しいか」「この例外は誰に聞くか」で迷ったところを回収し、第12話のマニュアルへ反映します。
引き継ぎの完了をどう判断するか

手順を暗記できたかではなく、資料を見て正しい場所へ進めるかを見ます。最初の一週間で出た質問、差し戻し、確認にかかった時間を記録し、資料が足りないのか、教え方が足りないのかを分けて直します。

