Webサイトのアクセス状況を確認していると、「このページはよく見られているのに、その後ほかのページへ進んでいない」「途中で読むのをやめている人が多そう」と感じることがあります。
こうした状況を見ると、すぐに「離脱率が高いから、このページは良くない」と判断したくなるかもしれません。
しかし、ページから離脱すること自体が、必ずしも問題とは限りません。
たとえば、営業時間や電話番号を確認するページであれば、必要な情報を確認してそのままサイトを閉じることもあります。問い合わせ完了ページであれば、そこで離脱するのは自然です。
重要なのは、離脱そのものを問題視するのではなく、そのページを訪れた人が目的を達成できているか、次に取ってほしい行動へ進めているかを確認することです。
今回は、中小企業のWebサイトで「このページは離脱が多いかもしれない」と気づいたときに、どこから確認すればよいのかを実務的な順番で整理します。
まず確認したいのは「離脱してはいけないページなのか」
離脱が気になったとき、最初に確認したいのが、そのページの役割です。
すべてのページで、別のページへ移動してもらう必要があるわけではありません。
たとえば会社概要、アクセス、営業時間、よくある質問などは、ユーザーが知りたい情報を確認できれば、そのままサイトを閉じることもあります。
一方で、サービス紹介ページや商品説明ページ、採用ページなど、本来であれば問い合わせや料金確認、詳細ページなどへ進んでもらいたいページでは、次の行動につながっていない状態を確認する必要があります。
ページごとに「次に何をしてほしいか」を決める
離脱を考えるときは、まずそのページを見た人に何をしてほしいのかを整理してみましょう。
サービス紹介ページであれば、
「サービス内容を理解する」
↓
「料金や事例を見る」
↓
「問い合わせる」
といった流れが考えられます。
ブログ記事であれば、記事を読んで終わりではなく、関連するサービスを知ってもらうことが目的になっている場合もあります。
この「次の行動」が明確になっていないと、離脱が多いのか少ないのかを判断する基準そのものが曖昧になります。
まずはアクセス解析の数字を見る前に、このページの役割と、理想的な次の行動を言葉にしてみることが大切です。
原因1:訪問者が期待していた情報とページ内容がずれている

離脱が起きる原因として、最初に疑いたいのが「期待とのズレ」です。
検索結果や広告、別ページのリンクなどを見て訪問したものの、実際にページを開いてみると、期待していた情報が見つからないケースです。
たとえば、「料金」を知りたくてページを訪れたのに料金についてほとんど触れられていなければ、ユーザーは別のサイトへ移動する可能性があります。
「サービスの対応地域」を知りたい人が訪れているのに、サービスの特徴だけが長く説明されている場合も同様です。
検索キーワードとページ内容を見比べる
Google Search Consoleなどを利用している場合は、そのページがどのような検索キーワードから見られているのか確認すると参考になります。
ここで重要なのは、検索順位そのものよりも、どのような目的を持った人がページに来ているかを考えることです。
検索キーワードとページの内容を見比べて、
「検索した人が知りたい情報にすぐ答えられているか」
という視点で確認してみましょう。
タイトルでは「料金について解説」と書いているのに、料金の説明がページ後半にしかない、といった場合は構成を見直す余地があります。
原因2:必要な情報が足りていない
ページを読んでも判断材料が不足していると、ユーザーは次の行動へ進めません。
サービスページでよくあるのが、サービスの特徴は詳しく書かれているものの、
「いくらかかるのか」
「誰が利用できるのか」
「どこまで対応してもらえるのか」
「問い合わせた後はどうなるのか」
といった具体的な情報が不足しているケースです。
会社側にとって当たり前の内容でも、初めてサイトを訪れた人にとっては分からないことがあります。
問い合わせ前に気になることを洗い出す
ページを見直すときは、サービス提供者側の視点だけではなく、初めて利用する人の視点で確認します。
特に問い合わせや申込みにつなげたいページでは、
- 料金
- 対応範囲
- 利用までの流れ
- よくある質問
- 実績や事例
- 問い合わせ方法
などが判断材料になります。
すべてを1ページに詰め込む必要はありませんが、必要な情報が別ページにあるのであれば、そのページへ分かりやすく案内する必要があります。
「情報がない」のか、「情報はあるが見つけられない」のかを分けて考えることも重要です。
原因3:次に進むための導線が分かりにくい

ページの内容自体には問題がなくても、その後どこへ進めばよいのか分からず離脱していることがあります。
たとえば、サービス説明を最後まで読んだのに、問い合わせボタンがページ上部にしかない場合です。
ユーザーはページを読み終えた時点で、「もう少し詳しく知りたい」「相談してみたい」と感じるかもしれません。
そこで次の案内がなければ、自分でメニューを探したり、ページ上部まで戻ったりする必要があります。
その小さな手間が、離脱につながることもあります。
ページの途中と最後を確認する
導線を確認するときは、特にページの最後を見てみましょう。
ページを読み終えた人に対して、
「関連サービスを見る」
「料金を確認する」
「事例を見る」
「問い合わせる」
など、自然な次の選択肢が用意されているか確認します。
ブログ記事の場合も同じです。
記事を読んだ後に関連サービスや関連記事への案内がなければ、読者はそこでサイトを見るのを終了しやすくなります。
内部リンクやボタンは数を増やせばよいわけではありません。そのページを読んだ人が次に知りたくなる内容を案内することが重要です。
原因4:ページが読みにくく、途中で読むのをやめている
内容は充実していても、読みづらいページではユーザーが途中で離れてしまう可能性があります。
特にスマートフォンでは、一つの段落が長すぎたり、見出しが少なかったりすると、内容を把握しにくくなります。
Webページは最初から最後までじっくり読む人だけではありません。
見出しを見ながら必要な場所を探したり、気になる部分だけを読んだりする人もいます。
そのため、文章の内容だけでなく「情報を探しやすいか」という視点も必要です。
スマートフォンで実際にページを見てみる

管理画面やパソコンだけで確認していると、読みにくさに気づかないことがあります。
一度スマートフォンでページを開き、実際の訪問者と同じように上からスクロールしてみましょう。
文章が長く続きすぎていないか、見出しだけでも内容を把握できるか、ボタンが見つけやすいかなどを確認します。
画像が大きすぎて本文までなかなかたどり着けない、広告や案内が多く本文が見づらい、といった問題が見つかることもあります。
アクセス解析だけでは分からない部分なので、実際の画面確認は重要です。
原因5:最初の画面で内容が伝わっていない
ページを開いた直後の印象も重要です。
訪問者はページを開いた瞬間に、
「自分が探している内容がありそうか」
を判断します。
ページタイトルが分かりにくかったり、大きな画像だけが表示されて本文が見えなかったりすると、内容を確認する前に離れてしまうことがあります。
ページを開いて数秒で内容が分かるか確認する
ページ上部では、少なくとも
「何についてのページなのか」
「誰に向けた内容なのか」
「何が分かるのか」
が伝わる状態を目指します。
特にサービスページでは、会社側が伝えたいキャッチコピーだけではなく、ユーザーが「自分に関係のあるサービスだ」と判断できる情報が必要です。
凝ったデザインよりも、内容がすぐ理解できることを優先した方がよい場合もあります。
アクセス解析では「どこで止まっているか」を確認する

ページを見直す際は、GA4などのアクセス解析も参考になります。
ただし、「離脱率が高いから問題」と一つの数字だけで判断する必要はありません。
見るべきなのは、そのページを起点としてユーザーがどのように動いているかです。
たとえば、ブログ記事からサービスページへ誘導したいのであれば、実際にどの程度サービスページへ移動しているのかを確認します。
サービスページから問い合わせへ進んでもらいたいのであれば、問い合わせページへの移動や問い合わせ完了などを見る方が実務上は重要です。
スクロール状況も参考にする
可能であれば、ページのどこまで読まれているかも確認すると原因を考えやすくなります。
たとえばページ前半で多くの人が読むのをやめているのであれば、冒頭部分やページ構成を見直す必要があるかもしれません。
一方で、ページの最後まで読まれているのに問い合わせにつながっていないのであれば、情報不足や導線の問題を疑えます。
このように、
「離脱している」
だけではなく、
「どこまで読まれているか」
「その後どこへ移動しているか」
「期待する行動が行われているか」
を組み合わせて考えると、改善箇所を絞り込みやすくなります。
一度に全部直さず、原因を一つずつ確認する

離脱が気になるページを見つけると、文章、画像、デザイン、ボタンなどを一度に変更したくなるかもしれません。
しかし、多くの箇所を同時に変えてしまうと、結果が改善したとしても、何が効果的だったのか分からなくなります。
まずは原因として可能性が高いところから変更してみましょう。
たとえば検索キーワードとページ内容が合っていないのであれば、まず冒頭部分や見出し構成を調整します。
最後まで読まれているのに次のページへ進んでいないのであれば、ページ末尾の導線を見直します。
必要な情報が不足しているのであれば、その情報を追加します。
変更後は一定期間アクセス状況を確認し、ユーザーの動きが変わったかを見ていきます。
中小企業のWebサイトでは、大規模なリニューアルをしなくても、このような小さな見直しを積み重ねることで改善できるケースがあります。
まとめ:離脱の数字ではなく「なぜ離れたのか」を考える
ページから離脱すること自体は、必ずしも悪いことではありません。
重要なのは、そのページの目的に対して、ユーザーが必要な情報を得られたか、次の行動へ進めたかを確認することです。
離脱が気になるページを見つけたら、まずは次の順番で確認してみましょう。
- そのページは本当に離脱が問題になるページなのか
- 訪問者が期待している内容とページが合っているか
- 判断に必要な情報が不足していないか
- 次のページへの導線が分かりやすいか
- スマートフォンでも読みやすいか
- ページ上部で内容がすぐに理解できるか
- アクセス解析上、どこでユーザーの行動が止まっているか
「離脱が多いから全面的に作り直す」と考えるのではなく、原因を一つずつ切り分けることが大切です。
アクセス解析の数字と実際のページを見比べながら、「このページを訪れた人は何を知りたかったのか」「次に何をしてほしいのか」という視点で見直していくと、改善すべきポイントが見つけやすくなります。

