公開後90日の“改善レポート”の作り方:社長が見る3枚のダッシュボード

公開後90日の“改善レポート”の作り方

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Web施策のレポートが、セッション数やPV数の「数字の羅列」で終わっていませんか。社長や役員が本当に知りたいのは、「で、この投資は成功なのか?」「次に、何を、どう改善するのか?」という、未来の意思決定につながる情報です。

本記事は、Web施策の成果を「説明できない」状態から脱却させ、経営判断に直結させるレポート設計を解説します。特に、施策の初期効果が見え始める「公開後90日」に焦点を当て、社長が見るべき“3枚のダッシュボード”に絞ってその構成をお伝えします。

なぜ「90日後レポート」が重要なのか

「なぜ『90日後レポート』が重要なのか」

1ヶ月では早すぎ、半年では遅すぎる理由

Web施策のデータは、公開直後の1ヶ月ではノイズが多く、判断には早すぎます。一方、半年後では改善に着手するのが遅すぎ、機会損失につながります。

90日(3ヶ月)は、初期ノイズが収束し、施策の傾向が明確に見え始める、PDCAの最初のサイクルを回すのに最適な期間です。GA4のデータも安定し、施策の「初期的な効果」を判断するのに適しています。

公開直後と改善フェーズの違い

公開直後はツールの動作確認が中心ですが、90日後は**「改善フェーズ」に入ります。このフェーズでは、ユーザーの行動データに基づき、「どこに問題があり、どうすれば成果が伸びるか」**という施策の最適化に焦点を移します。

MOFU→BOFUで見る指標は変わる

経営層が知りたいのは、集客を示すMOFU(認知・興味)指標よりも、事業の成果に直結するBOFU(検討・行動)指標です。90日レポートでは、集客の「量」を示すセッション数から、成果の「質」を示すCV数やCV率(CVR)へと、レポートの主軸を切り替える必要があります。

社長が見るべきは「3枚だけ」でいい

社長が見るべきは『3枚だけ』でいい

レポートは多いほど見られない

多忙な経営層にとって、Webレポートに割ける時間は限られています。詳細なデータが並ぶレポートは、意思決定の機会を失わせます。「レポートは多いほど見られない」という原則に基づき、判断に必要な情報だけを厳選することが重要です。

判断に必要な情報だけを残す考え方

経営層が知りたい以下の3つの問いに答えるため、GA4のデータをLooker Studioで可視化した「3枚のダッシュボード」に情報を集約します。

1.成果の全体像: 投資対効果(CV)

2.成果の理由: 改善のボトルネック(プロセス)

3.次の打ち手: 未来の行動計画(示唆)

ダッシュボード①|CVと成果の全体像

CVと成果の全体像

まず見るべきは「何が起きたか」

1枚目は、Webサイトが「事業にどれだけ貢献したか」を一目で把握するための、最も重要なサマリーです。

指標目的GA4での指標例
CV数最終成果(問い合わせ、資料請求など)の総量コンバージョン(イベント数)
CV率(CVR)訪問者のうち、成果に至った割合(効率)セッションあたりのコンバージョン率
CV単価(CPA)1件の成果獲得にかかったコスト広告費 ÷ CV数

代表的なCV指標の考え方(問い合わせ・資料DLなど)

CVは「最終的な売上に近いCV」と「中間的なCV」に分けて計測し、そのバランスと最終CVの増減を報告します。

増減より「理由」を説明できる構成にする

単なる増減報告ではなく、「CVが増えた(減った)理由」を裏付ける内訳(流入経路別、デバイス別など)を添えます。Looker Studioのグラフの横に、Web担当者の仮説と考察を簡潔に記載することで、レポートは「報告書」から「意思決定資料」に変わります。

ダッシュボード②|KPIとプロセス指標

KPIとプロセス指標

CVだけでは改善点は見えない

CV数(結果)だけでは、サイトのどこに問題があるのか(原因)は分かりません。2枚目では、CVに至るまでの「ユーザーの行動プロセス」を分解し、改善のボトルネックを特定します。

プロセス指標の役割GA4での指標例
集客サイトにどれだけ人を集めたかセッション数、ユーザー数
行動サイト内でどう動いたか直帰率、エンゲージメント率
技術サイトの快適性コアウェブバイタル(表示速度など)

セッション・直帰率・回遊などの役割

特に直帰率が高い場合、「最初のページの内容が、ユーザーの期待と合っていない」ことを示唆します。集客は成功したが、サイト内のコンテンツで失敗している、といった具体的な課題を、目標値との比較で提示します。

コアウェブバイタルとの関係性

Webサイトの成果は、コンテンツだけでなく**「技術的な快適さ」にも左右されます。GA4のデータと合わせて、ページの読み込み速度や応答性を示すコアウェブバイタルの状況を報告することは、「インフラ投資」**の判断材料となります。スコアが低いと、ユーザーは離脱し、直帰率の上昇やCVRの低下につながります。

ダッシュボード③|次の打ち手を決める示唆

次の打ち手を決める示唆

数字から仮説を作る視点

3枚目は、過去の報告ではなく、未来の行動計画を提示するためのものです。ダッシュボード①と②で特定した課題を基に、「次に何をすべきか」という改善の仮説を提示します。

「やること/やらないこと」を切り分ける

リソースが限られた中小企業では、「何をしないか」を決めることが重要です。CVへの影響度が大きく、かつ改善の難易度が低い施策を「やること」として優先順位付けし、経営層にリソース配分の妥当性を判断してもらいます。

広告・LP改善との接続

Webサイトの成果改善は、サイト内部だけでなく、集客の「入口」である広告やランディングページ(LP)の改善と密接です。直帰率が高い原因が、LP×広告のメッセージのズレにある場合など、サイト外の施策との接続点も明確に示し、マーケティング全体での機能を確認します。

改善レポート雛形の考え方

社内共有用と経営用は分ける

Web担当者が使う詳細な**「社内共有用レポート」と、経営層が意思決定に使う「経営用レポート」**は、目的が異なるため分けるべきです。経営用は、Looker Studioで作成した3枚のダッシュボードに集約します。

1スライド1メッセージの原則

経営用レポートは、「1スライド(ダッシュボード)には、最も伝えたいメッセージを一つだけ」という原則を徹底します。グラフの横に「このグラフから読み取れる結論」を明記し、判断を促します。

定点比較を前提にした設計

レポートは「定点観測」を前提に、常に同じ指標、同じレイアウトで報告します。Looker Studioの期間比較機能を活用し、「前四半期比」などを自動で表示させる設計にすることで、経営層はトレンドや変化を瞬時に把握できます。

次の四半期計画につなげる方法

改善テーマを3つまでに絞る

90日レポートで得られた課題から、次の四半期で実行する改善テーマは「3つまで」に絞り込みます。リソースを集中投下することで、確実に成果を出すためのコミットメントを示します。

KPIと施策を1対1で対応させる

絞り込んだテーマごとに、「何を改善すれば、どのKPIがどれだけ伸びるか」を明確に対応させます。これにより、施策の投資対効果が明確になります。

レポートは「計画の入口」

改善レポートは、過去の成果を報告する**「出口」ではなく、次の計画を立てるための「入口」です。90日レポートの「事実」と「示唆」を基に、次の四半期のWeb施策の予算と目標値**を提案することで、Web施策を経営計画の一部として組み込みます。

まとめ|改善レポートは“意思決定ツール”

Web施策のレポートは、数字を報告するだけでは意味がありません。その数字が、「Webサイトへの投資が、事業の成長にどうつながっているか」という経営判断につながって初めて価値を持ちます。

本記事で解説した3枚のダッシュボードに情報を絞り込み、**「何が起きたか」「なぜ起きたか」「次に何をすべきか」を簡潔に提示することで、あなたのレポートは必ずや経営層の意思決定を加速させる“意思決定ツール”**となるでしょう。

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