2話 AIに何を覚えてもらう?必要な情報を整理しよう

AIに伝える情報と伝えない情報を分けて整理している様子

Contents

自分専用AIを使いやすくするためには、自分についての情報をAIに伝える必要があります。

ただし、自分のことを何でも入力すればよいわけではありません。

AIに伝える情報は、仕事や作業に役立つ内容だけで十分です。反対に、名前や住所、顧客情報、パスワードなど、作業に必要のない情報は入力しないようにします。

大切なのは、「どれだけ多くの情報を伝えるか」ではなく、「回答に必要な情報だけを選べているか」です。

今回は、AIに伝えると役立つ情報と、伝えない方がよい情報を分けながら、自分専用AIに使う情報を整理していきます。

AIに自分のことを何でも伝える必要はない

AIから自分に合った回答を受け取るためには、ある程度の情報が必要です。

たとえば、文章作成を頼む場合は、どのような仕事をしているのか、誰に向けた文章なのか、どのような雰囲気にしたいのかを伝えると、希望に近い文章が作られやすくなります。

しかし、仕事に関係のない個人的な情報まで伝える必要はありません。

ブログ記事を作るために、自宅の住所や個人の電話番号を入力する必要はありません。案内メールを作るために、顧客の細かな個人情報をそのまま貼り付ける必要もありません。

AIに伝える情報は、回答の内容や形式を調整するために必要なものに絞ります。

まずは、「この情報を伝えることで、回答が使いやすくなるか」と考えることが大切です。

AIに伝えると役立つ情報

仕事内容や利用目的などAIに伝える情報を項目別に整理している画面

AIに伝える情報は、仕事内容、作業内容、利用目的などを中心に整理します。

細かく書きすぎる必要はありません。初めて説明を受ける人にも分かる程度に、短くまとめれば十分です。

自分の仕事内容

最初に整理したいのは、自分がどのような仕事をしているかです。

仕事内容が分かると、AIはその仕事に合った言葉や説明方法を選びやすくなります。

たとえば、次のように簡単にまとめられます。

  • 飲食店を運営している
  • 中小企業向けにWebサイトを制作している
  • 会社でパソコンやメールの管理を担当している
  • 店舗の商品紹介や案内文を作成している
  • 社内の事務作業を担当している

会社名や細かな取引内容まで書く必要はありません。

「どのような分野で、どのような役割を担当しているか」が分かれば、回答を調整するための情報として役立ちます。

よく行う作業

次に、普段どのような作業をしているかを整理します。

仕事内容が同じでも、AIに頼みたい作業は人によって異なります。

たとえば、Web制作の仕事をしている人でも、記事作成を多く行う人もいれば、お客様への説明文や操作手順を作る人もいます。

よく行う作業として、次のようなものが考えられます。

  • メールや案内文を作る
  • ブログ記事を書く
  • 会議内容をまとめる
  • 操作手順を整理する
  • 商品やサービスの説明文を作る
  • アイデアを複数出して比較する
  • 長い文章を短くまとめる

よく行う作業が分かると、その作業に合わせた共通の指示を作りやすくなります。

主な利用目的

AIを何のために使うのかも、整理しておきたい情報です。

同じ文章作成でも、目的によって必要な内容は変わります。

たとえば、社内スタッフに手順を伝える文章では、分かりやすさや正確な順番が重要です。一方、お客様向けのサービス紹介では、サービス内容や利用するメリットを自然に伝える必要があります。

主な利用目的は、次のようにまとめられます。

「社内の作業を分かりやすく説明するため」

「お客様へのメールを作るため」

「ブログ記事の構成や本文を作るため」

「自分の考えを整理するため」

「複数の案を比較して決めるため」

目的を伝えることで、AIが何を重視して回答すればよいか判断しやすくなります。

読者やお客様の種類

文章を作るときは、誰が読むのかを伝えることも重要です。

専門知識がある人と、初めて内容を知る人では、必要な説明の量や言葉の難しさが異なります。

たとえば、次のように整理できます。

「パソコンに詳しくない社内スタッフ」

「初めてサービスを検討しているお客様」

「地域の小規模事業者」

「WebやAIについて詳しくない経営者や担当者」

「既にサービスを利用しているお客様」

読者やお客様の種類を伝えると、AIは説明の詳しさや言葉遣いを調整しやすくなります。

文章や回答の希望も整理する

自分専用AIでは、仕事内容だけでなく、どのような回答を受け取りたいかも整理します。

内容が正しくても、文章の雰囲気や長さが自分の希望と合わなければ、毎回修正が必要になります。

文章の雰囲気

文章の雰囲気とは、文章を読んだときに受ける印象のことです。

同じ内容でも、丁寧でかしこまった文章、やわらかく親しみやすい文章、落ち着いた実務的な文章では、読み手の印象が変わります。

たとえば、次のような希望を整理できます。

「やわらかく親しみやすい文章」

「落ち着いた実務的な文章」

「丁寧だが、かしこまりすぎない文章」

「初心者にも話しかけるような分かりやすい文章」

「大げさな表現を使わない自然な文章」

「分かりやすく」と伝えるだけでなく、文章全体の雰囲気も示すと、希望に近づきやすくなります。

希望する回答の長さ

AIの回答が長すぎる、または短すぎると感じたことがある人もいるでしょう。

その場合は、希望する長さを伝えておくと便利です。

たとえば、次のように使い分けられます。

「最初に短く結論を説明する」

「操作手順は一つずつ詳しく説明する」

「メールは長くなりすぎないようにする」

「ブログ記事は導入文からまとめまで丁寧に作る」

「複数の案を出す場合は、それぞれ短く特徴を説明する」

毎回同じ長さにする必要はありません。

自分がよく行う作業ごとに、希望する回答の長さを決めておくと使いやすくなります。

AIにしてほしくないこと

AIにしてほしいことだけでなく、してほしくないことも整理しておきましょう。

これは、回答の間違いや、不要な表現を減らすために役立ちます。

たとえば、次のような内容です。

  • 分からないことを推測で決めない
  • 確認できない情報を事実のように書かない
  • 大げさな表現を使わない
  • 不安をあおる言い方をしない
  • 難しい専門用語を説明なしで使わない
  • 与えていない情報を勝手に追加しない
  • 同じ説明を何度も繰り返さない

AIは、与えられた情報をもとに回答を作ります。

そのため、「してほしくないこと」を明確に伝えると、回答の方向がずれにくくなります。

AIに伝えない方がよい情報

パスワードや顧客情報をAIに入力しないよう確認している様子

自分専用AIを使うときは、仕事に役立つ情報と、入力しない方がよい情報を分ける必要があります。

特に、個人や会社を特定できる情報、第三者に関する情報、サービスへログインするための情報には注意します。

名前や住所などの個人情報

AIへの相談に必要がなければ、本名、自宅住所、個人の電話番号、生年月日などは入力しないようにします。

たとえば、一般的な案内文を作るだけであれば、実際の氏名や住所を入力しなくても文章は作れます。

必要な場合でも、最初は次のように置き換えられます。

  • 氏名を「担当者名」にする
  • 住所を「店舗所在地」にする
  • 会社名を「当社」にする
  • お客様の名前を「お客様」にする

完成した文章を受け取ってから、自分で正しい情報に差し替える方法があります。

顧客や取引先の情報

お客様の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、注文内容、相談内容などを、そのままAIへ入力しないようにします。

文章を整えたい場合は、個人が分からない形に置き換えます。

たとえば、「東京都○○区に住む田中様から、商品Aの不具合について連絡があった」という情報を、そのまま入力する必要はありません。

「お客様から、購入した商品に関する問い合わせがあった」と置き換えても、返信文の形は考えられます。

文章作成に必要なのは、相手を特定する情報ではなく、問い合わせの内容や、こちらが伝えたい対応です。

パスワードや認証情報

パスワード、暗証番号、認証コード、秘密の質問の答えなどは、AIへ入力しないようにします。

ログインできない問題を相談するときも、実際のパスワードを伝える必要はありません。

「パスワードを入力してもエラーになる」

「認証コードが登録済みのメールアドレスに届く」

このように、問題の状況だけを説明すれば相談できます。

画面の画像を使って相談する場合も、パスワード、メールアドレス、顧客名、契約番号などが映っていないか確認してから使用します。

社外に出せない会社情報

会社の内部資料、未発表の情報、取引条件、顧客一覧、契約書の内容なども注意が必要です。

すべての会社情報をAIへ入力してはいけないという意味ではありません。

会社や組織のルールを確認し、外部サービスへ入力してよい情報かを判断することが大切です。

判断できない場合は、具体的な会社名や数字を削除し、一般的な内容に置き換えて相談します。

判断に迷ったら「この情報は本当に必要か」を考える

個人情報を一般的な表現に置き換えてAIに相談する流れ

AIに情報を伝えるか迷ったときは、その情報が回答を作るために本当に必要かを考えます。

たとえば、店舗のお客様向けに休業案内を作りたい場合、次の情報は役立ちます。

  • 店舗からお客様への案内であること
  • 丁寧で分かりやすい文章にしたいこと
  • 休業日と営業再開日
  • 予約済みのお客様への対応

一方、店長の自宅住所や、お客様の名簿、管理画面のパスワードは必要ありません。

情報を入力する前に、次のように考えてみましょう。

「この情報がなくても回答を作れるのではないか」

「別の言葉に置き換えられないか」

「個人や会社を特定できない形にできないか」

「回答を受け取った後に、自分で追加できないか」

必要な情報だけに絞ることで、安全性に配慮しながらAIを活用できます。

AIに伝える情報は少しずつ整えればよい

AIに伝える情報は、最初から細かくまとめる必要はありません。

まずは、よく使う情報を短く書き出し、実際に使いながら修正します。

たとえば、最初は次のような内容でも十分です。

私は、小規模事業者向けの文章を作成しています。
読者は、パソコンやAIに詳しくない人です。
専門用語をできるだけ避け、落ち着いた分かりやすい文章にしてください。
確認できない情報は、推測で書かないでください。

使ってみて回答が長いと感じたら、「最初に結論を短く説明する」と追加します。

文章がかしこまりすぎていると感じたら、「丁寧だが、話しかけるような自然な文章にする」と修正します。

AIに伝える情報は、一度決めたら変更できないものではありません。

自分の仕事や使い方に合わせて、少しずつ整えていきましょう。

実践:「伝える情報」と「伝えない情報」に分ける

ワークシートを使ってAIに伝える情報と伝えない情報を分類している様子

今回は、自分専用AIに使う情報を、「AIに伝える情報」と「AIに伝えない情報」の二つに分けて整理します。

紙やメモ帳に、二つの欄を作ってください。

AIに伝える情報

こちらには、回答を自分に合わせるために役立つ情報を書きます。

たとえば、次のような内容です。

  • 仕事内容
  • よく行う作業
  • AIを使う目的
  • 主な読者やお客様
  • 希望する文章の雰囲気
  • 希望する回答の長さ
  • AIにしてほしくないこと

実際に書く場合は、単語だけでなく、短い文章にすると後で使いやすくなります。

中小企業の担当者向けに文章を作成している。
専門知識がない人にも分かる説明にしてほしい。
大げさな表現や不安をあおる言い方は避けてほしい。

AIに伝えない情報

こちらには、AIへの相談で入力しない情報を書きます。

たとえば、次のような内容です。

  • パスワード
  • 認証コード
  • 自宅住所
  • 個人の電話番号
  • 顧客の氏名や連絡先
  • 顧客一覧
  • 社外に出せない資料
  • 未発表の会社情報

自分の仕事に合わせて、「入力してはいけない情報」や「入力前に確認する情報」を加えてください。

二つに分けておくことで、AIへ質問するときに、伝える内容を判断しやすくなります。

まとめ

AIに自分のことを何でも伝える必要はありません。

自分専用AIに必要なのは、仕事内容、よく行う作業、利用目的、読者、文章の雰囲気、回答の長さ、してほしくないことなど、回答を調整するための情報です。

一方で、名前、住所、顧客情報、パスワード、認証コード、社外に出せない会社情報などは、必要がなければ入力しないようにします。

判断に迷ったときは、「この情報は回答を作るために本当に必要か」と考えてください。

必要な情報だけを整理することで、自分に合った回答を受け取りやすくなり、安全性にも配慮しながらAIを使えます。

まずは、紙やメモ帳を二つに分け、「AIに伝える情報」と「AIに伝えない情報」を書き出してみましょう。

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