自分専用AIを使いやすくするためには、自分についての情報をAIに伝える必要があります。
ただし、自分のことを何でも入力すればよいわけではありません。
AIに伝える情報は、仕事や作業に役立つ内容だけで十分です。反対に、名前や住所、顧客情報、パスワードなど、作業に必要のない情報は入力しないようにします。
大切なのは、「どれだけ多くの情報を伝えるか」ではなく、「回答に必要な情報だけを選べているか」です。
今回は、AIに伝えると役立つ情報と、伝えない方がよい情報を分けながら、自分専用AIに使う情報を整理していきます。
AIに自分のことを何でも伝える必要はない
AIから自分に合った回答を受け取るためには、ある程度の情報が必要です。
たとえば、文章作成を頼む場合は、どのような仕事をしているのか、誰に向けた文章なのか、どのような雰囲気にしたいのかを伝えると、希望に近い文章が作られやすくなります。
しかし、仕事に関係のない個人的な情報まで伝える必要はありません。
ブログ記事を作るために、自宅の住所や個人の電話番号を入力する必要はありません。案内メールを作るために、顧客の細かな個人情報をそのまま貼り付ける必要もありません。
AIに伝える情報は、回答の内容や形式を調整するために必要なものに絞ります。
まずは、「この情報を伝えることで、回答が使いやすくなるか」と考えることが大切です。
AIに伝えると役立つ情報

AIに伝える情報は、仕事内容、作業内容、利用目的などを中心に整理します。
細かく書きすぎる必要はありません。初めて説明を受ける人にも分かる程度に、短くまとめれば十分です。
自分の仕事内容
最初に整理したいのは、自分がどのような仕事をしているかです。
仕事内容が分かると、AIはその仕事に合った言葉や説明方法を選びやすくなります。
たとえば、次のように簡単にまとめられます。
- 飲食店を運営している
- 中小企業向けにWebサイトを制作している
- 会社でパソコンやメールの管理を担当している
- 店舗の商品紹介や案内文を作成している
- 社内の事務作業を担当している
会社名や細かな取引内容まで書く必要はありません。
「どのような分野で、どのような役割を担当しているか」が分かれば、回答を調整するための情報として役立ちます。
よく行う作業
次に、普段どのような作業をしているかを整理します。
仕事内容が同じでも、AIに頼みたい作業は人によって異なります。
たとえば、Web制作の仕事をしている人でも、記事作成を多く行う人もいれば、お客様への説明文や操作手順を作る人もいます。
よく行う作業として、次のようなものが考えられます。
- メールや案内文を作る
- ブログ記事を書く
- 会議内容をまとめる
- 操作手順を整理する
- 商品やサービスの説明文を作る
- アイデアを複数出して比較する
- 長い文章を短くまとめる
よく行う作業が分かると、その作業に合わせた共通の指示を作りやすくなります。
主な利用目的
AIを何のために使うのかも、整理しておきたい情報です。
同じ文章作成でも、目的によって必要な内容は変わります。
たとえば、社内スタッフに手順を伝える文章では、分かりやすさや正確な順番が重要です。一方、お客様向けのサービス紹介では、サービス内容や利用するメリットを自然に伝える必要があります。
主な利用目的は、次のようにまとめられます。
「社内の作業を分かりやすく説明するため」
「お客様へのメールを作るため」
「ブログ記事の構成や本文を作るため」
「自分の考えを整理するため」
「複数の案を比較して決めるため」
目的を伝えることで、AIが何を重視して回答すればよいか判断しやすくなります。
読者やお客様の種類
文章を作るときは、誰が読むのかを伝えることも重要です。
専門知識がある人と、初めて内容を知る人では、必要な説明の量や言葉の難しさが異なります。
たとえば、次のように整理できます。
「パソコンに詳しくない社内スタッフ」
「初めてサービスを検討しているお客様」
「地域の小規模事業者」
「WebやAIについて詳しくない経営者や担当者」
「既にサービスを利用しているお客様」
読者やお客様の種類を伝えると、AIは説明の詳しさや言葉遣いを調整しやすくなります。
文章や回答の希望も整理する
自分専用AIでは、仕事内容だけでなく、どのような回答を受け取りたいかも整理します。
内容が正しくても、文章の雰囲気や長さが自分の希望と合わなければ、毎回修正が必要になります。
文章の雰囲気
文章の雰囲気とは、文章を読んだときに受ける印象のことです。
同じ内容でも、丁寧でかしこまった文章、やわらかく親しみやすい文章、落ち着いた実務的な文章では、読み手の印象が変わります。
たとえば、次のような希望を整理できます。
「やわらかく親しみやすい文章」
「落ち着いた実務的な文章」
「丁寧だが、かしこまりすぎない文章」
「初心者にも話しかけるような分かりやすい文章」
「大げさな表現を使わない自然な文章」
「分かりやすく」と伝えるだけでなく、文章全体の雰囲気も示すと、希望に近づきやすくなります。
希望する回答の長さ
AIの回答が長すぎる、または短すぎると感じたことがある人もいるでしょう。
その場合は、希望する長さを伝えておくと便利です。
たとえば、次のように使い分けられます。
「最初に短く結論を説明する」
「操作手順は一つずつ詳しく説明する」
「メールは長くなりすぎないようにする」
「ブログ記事は導入文からまとめまで丁寧に作る」
「複数の案を出す場合は、それぞれ短く特徴を説明する」
毎回同じ長さにする必要はありません。
自分がよく行う作業ごとに、希望する回答の長さを決めておくと使いやすくなります。
AIにしてほしくないこと
AIにしてほしいことだけでなく、してほしくないことも整理しておきましょう。
これは、回答の間違いや、不要な表現を減らすために役立ちます。
たとえば、次のような内容です。
- 分からないことを推測で決めない
- 確認できない情報を事実のように書かない
- 大げさな表現を使わない
- 不安をあおる言い方をしない
- 難しい専門用語を説明なしで使わない
- 与えていない情報を勝手に追加しない
- 同じ説明を何度も繰り返さない
AIは、与えられた情報をもとに回答を作ります。
そのため、「してほしくないこと」を明確に伝えると、回答の方向がずれにくくなります。
AIに伝えない方がよい情報

自分専用AIを使うときは、仕事に役立つ情報と、入力しない方がよい情報を分ける必要があります。
特に、個人や会社を特定できる情報、第三者に関する情報、サービスへログインするための情報には注意します。
名前や住所などの個人情報
AIへの相談に必要がなければ、本名、自宅住所、個人の電話番号、生年月日などは入力しないようにします。
たとえば、一般的な案内文を作るだけであれば、実際の氏名や住所を入力しなくても文章は作れます。
必要な場合でも、最初は次のように置き換えられます。
- 氏名を「担当者名」にする
- 住所を「店舗所在地」にする
- 会社名を「当社」にする
- お客様の名前を「お客様」にする
完成した文章を受け取ってから、自分で正しい情報に差し替える方法があります。
顧客や取引先の情報
お客様の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、注文内容、相談内容などを、そのままAIへ入力しないようにします。
文章を整えたい場合は、個人が分からない形に置き換えます。
たとえば、「東京都○○区に住む田中様から、商品Aの不具合について連絡があった」という情報を、そのまま入力する必要はありません。
「お客様から、購入した商品に関する問い合わせがあった」と置き換えても、返信文の形は考えられます。
文章作成に必要なのは、相手を特定する情報ではなく、問い合わせの内容や、こちらが伝えたい対応です。
パスワードや認証情報
パスワード、暗証番号、認証コード、秘密の質問の答えなどは、AIへ入力しないようにします。
ログインできない問題を相談するときも、実際のパスワードを伝える必要はありません。
「パスワードを入力してもエラーになる」
「認証コードが登録済みのメールアドレスに届く」
このように、問題の状況だけを説明すれば相談できます。
画面の画像を使って相談する場合も、パスワード、メールアドレス、顧客名、契約番号などが映っていないか確認してから使用します。
社外に出せない会社情報
会社の内部資料、未発表の情報、取引条件、顧客一覧、契約書の内容なども注意が必要です。
すべての会社情報をAIへ入力してはいけないという意味ではありません。
会社や組織のルールを確認し、外部サービスへ入力してよい情報かを判断することが大切です。
判断できない場合は、具体的な会社名や数字を削除し、一般的な内容に置き換えて相談します。
判断に迷ったら「この情報は本当に必要か」を考える

AIに情報を伝えるか迷ったときは、その情報が回答を作るために本当に必要かを考えます。
たとえば、店舗のお客様向けに休業案内を作りたい場合、次の情報は役立ちます。
- 店舗からお客様への案内であること
- 丁寧で分かりやすい文章にしたいこと
- 休業日と営業再開日
- 予約済みのお客様への対応
一方、店長の自宅住所や、お客様の名簿、管理画面のパスワードは必要ありません。
情報を入力する前に、次のように考えてみましょう。
「この情報がなくても回答を作れるのではないか」
「別の言葉に置き換えられないか」
「個人や会社を特定できない形にできないか」
「回答を受け取った後に、自分で追加できないか」
必要な情報だけに絞ることで、安全性に配慮しながらAIを活用できます。
AIに伝える情報は少しずつ整えればよい
AIに伝える情報は、最初から細かくまとめる必要はありません。
まずは、よく使う情報を短く書き出し、実際に使いながら修正します。
たとえば、最初は次のような内容でも十分です。
私は、小規模事業者向けの文章を作成しています。
読者は、パソコンやAIに詳しくない人です。
専門用語をできるだけ避け、落ち着いた分かりやすい文章にしてください。
確認できない情報は、推測で書かないでください。
使ってみて回答が長いと感じたら、「最初に結論を短く説明する」と追加します。
文章がかしこまりすぎていると感じたら、「丁寧だが、話しかけるような自然な文章にする」と修正します。
AIに伝える情報は、一度決めたら変更できないものではありません。
自分の仕事や使い方に合わせて、少しずつ整えていきましょう。
実践:「伝える情報」と「伝えない情報」に分ける

今回は、自分専用AIに使う情報を、「AIに伝える情報」と「AIに伝えない情報」の二つに分けて整理します。
紙やメモ帳に、二つの欄を作ってください。
AIに伝える情報
こちらには、回答を自分に合わせるために役立つ情報を書きます。
たとえば、次のような内容です。
- 仕事内容
- よく行う作業
- AIを使う目的
- 主な読者やお客様
- 希望する文章の雰囲気
- 希望する回答の長さ
- AIにしてほしくないこと
実際に書く場合は、単語だけでなく、短い文章にすると後で使いやすくなります。
中小企業の担当者向けに文章を作成している。
専門知識がない人にも分かる説明にしてほしい。
大げさな表現や不安をあおる言い方は避けてほしい。
AIに伝えない情報
こちらには、AIへの相談で入力しない情報を書きます。
たとえば、次のような内容です。
- パスワード
- 認証コード
- 自宅住所
- 個人の電話番号
- 顧客の氏名や連絡先
- 顧客一覧
- 社外に出せない資料
- 未発表の会社情報
自分の仕事に合わせて、「入力してはいけない情報」や「入力前に確認する情報」を加えてください。
二つに分けておくことで、AIへ質問するときに、伝える内容を判断しやすくなります。
まとめ
AIに自分のことを何でも伝える必要はありません。
自分専用AIに必要なのは、仕事内容、よく行う作業、利用目的、読者、文章の雰囲気、回答の長さ、してほしくないことなど、回答を調整するための情報です。
一方で、名前、住所、顧客情報、パスワード、認証コード、社外に出せない会社情報などは、必要がなければ入力しないようにします。
判断に迷ったときは、「この情報は回答を作るために本当に必要か」と考えてください。
必要な情報だけを整理することで、自分に合った回答を受け取りやすくなり、安全性にも配慮しながらAIを使えます。
まずは、紙やメモ帳を二つに分け、「AIに伝える情報」と「AIに伝えない情報」を書き出してみましょう。

