第1話では、受け取った依頼を作業前の受付メモに整理しました。
第2話では、その受付メモを見ながら、今すぐ作業を始めてよいかを判断します。
ここで大切なのは、AIに不足情報を想像で埋めてもらうことではありません。むしろ逆です。作業を始める前に、足りない情報を見つけ、誰に確認するかを決めます。
実務では、作業そのものよりも、作業前の確認不足で手戻りが起きることがあります。第2話は、その手戻りを減らすための工程です。
受付メモを作業開始の判定に使う

第1話で作った受付メモには、依頼されたこと、作るもの、使う相手、期限、参考資料、不明なことが並んでいます。
第2話では、それを見て次の三つに分けます。
- このまま作業を始められること
- 資料を見れば確認できること
- 依頼者や関係者に聞かないと分からないこと
この分類ができると、いきなり作業を始めるべきか、先に確認すべきかが見えます。
AIには、次のように頼みます。
次の受付メモを見て、作業開始前に不足している情報を整理してください。このまま作業できること、資料で確認すること、依頼者に確認することに分けてください。推測で埋めないでください。
第1話の整理結果を使うことで、第2話は「ゼロから整理する回」ではなく、「作業開始の可否を判断する回」になります。
不足情報には種類がある

不足情報は、すべて同じ扱いではありません。
たとえば、参考資料の場所が分からない場合は、社内フォルダや過去メールを探せば解決するかもしれません。提出形式が分からない場合は、依頼者に確認が必要です。文章のトーンは、自分や上司が判断できる場合もあります。
不足情報を一つのリストにまとめるだけだと、次の行動が曖昧になります。
そこで、次のように分けます。
- 資料で確認すること
- 依頼者に聞くこと
- 社内の判断者に確認すること
- 今回は決めなくてもよいこと
AIには、足りない情報を出してもらうだけでなく、確認先も分けてもらいます。
不足情報ごとに、確認先を「資料」「依頼者」「社内判断」「今回は不要」に分けてください。
これで、確認作業が進めやすくなります。
推測してよい範囲を分ける
AIは、文脈から自然に補うことが得意です。
しかし、実務では補ってよいことと、補ってはいけないことがあります。
たとえば、資料の見出しや文章の言い回しは、あとで直せるためAIに案を出してもらいやすい部分です。一方、金額、締切、担当者、提出先、約束した内容は、AIが推測してはいけない部分です。
この線引きをしておくと、AIの回答を安心して使いやすくなります。
AIには、次のように指定します。
文章表現として仮案を出してよい部分と、事実確認が必要な部分を分けてください。
この指定を入れると、AIの回答が「作業案」と「確認事項」に分かれます。
依頼者へ返す質問を作る

不足情報が見つかったら、次に依頼者へ確認する文章を作ります。
ここでも、AIに長い丁寧文をいきなり作らせる前に、質問を整理します。
確認する内容は、多すぎると相手が答えにくくなります。まず、作業開始に必要なものだけに絞ります。
たとえば、次のような順番です。
- 作成するものの形式
- 使用する相手
- 期限
- 参考資料
- 優先して入れる内容
AIには、次のように依頼できます。
上の不足情報から、依頼者に確認する質問だけを三つから五つに絞ってください。相手が答えやすい順番に並べてください。
質問が整理できたら、次の回以降でメール返信や確認連絡に使えます。
作業開始の条件を決める

不足情報を見つけたあと、最後に決めるのは「何がそろったら作業を始めるか」です。
すべての情報が完璧にそろうまで待つ必要はありません。ただし、最低限の条件がないまま始めると手戻りになります。
作業開始の条件は、たとえば次のように決めます。
- 作るものの形式が決まっている
- 提出期限が分かっている
- 参考資料が確認できる
- 使う相手が分かっている
- 不明点を依頼者へ確認済み、または確認中である
AIには、次のように頼みます。
この依頼で作業を始めるための最低条件を三つに絞ってください。条件が満たされていない場合は、先に確認する行動を書いてください。
これで、作業開始の判断がしやすくなります。
実践:第1話の受付メモを使う
第1話で作った受付メモを用意します。
まだ作っていない場合は、最近受けた依頼を一つ選び、依頼されたこと、作るもの、使う相手、期限、参考資料、不明なことに分けます。
次に、AIへ次のように依頼します。
次の受付メモをもとに、作業開始前に確認すべき不足情報を整理してください。このまま作業できること、資料で確認すること、依頼者に聞くこと、社内で判断することに分けてください。推測で補わず、不明な点は不明としてください。最後に、作業を始めるための最低条件を三つに絞ってください。
出てきた結果を見て、依頼者へ確認する質問を作ります。
ここまでできれば、第2話の目的は達成です。次回以降は、この整理結果を使って、メール対応、会議準備、調査、資料作成へ進めます。
まとめ
仕事を始める前に不足情報を見つける目的は、作業を遅らせることではありません。
むしろ、確認不足のまま進めて手戻りする時間を減らすための工程です。
第1話で依頼を受付メモにし、第2話で不足情報と確認先を分ける。この二つを続けて行うと、AIは「それっぽい完成物を作る道具」ではなく、仕事を安全に始めるための確認相手として使いやすくなります。

