第14話では、報告文をもとに提案書の構成を作りました。
第15話では、その資料を相手の立場で見直します。自分では分かっているつもりでも、読み手には前提が足りなかったり、判断してほしいことが見えにくかったりします。
AIは、資料を作るだけでなく、読み手役として確認する場面でも役立ちます。
読み手を一人に決める

最初に、誰の立場で見直すのかを決めます。
上司に承認してもらう資料なのか、お客様に検討してもらう資料なのか、社内メンバーに作業してもらう資料なのかで、気になる点は変わります。
第14話で作った提案書構成をAIに渡し、次のように依頼します。
この提案書構成を、社内の承認者が読む前提で見直してください。判断に必要な情報が足りない部分を指摘してください。
読み手を一人に絞ると、見直しの基準がはっきりします。
相手が知りたい順番で読めるか確認する

資料は、自分が調べた順番で並べると長くなりがちです。
読み手が知りたいのは、多くの場合「何を決めればよいのか」「なぜ必要なのか」「どの選択肢がよいのか」「注意点は何か」です。
AIには、次の観点で確認してもらいます。
- 最初に結論が分かるか
- 背景が短くまとまっているか
- 根拠が判断材料として足りているか
- 注意点が後回しになっていないか
- 次に取る行動が明確か
この確認で、資料の順番や見出しを直しやすくなります。
分かりにくい表現を探す

資料には、作成者だけが分かる言葉が入りやすくなります。
たとえば、社内だけで通じる略語、前提説明のない数字、根拠が省略された判断、誰が行うのか分からない作業などです。
AIには、次のように頼みます。
次の資料案から、読み手が迷いそうな表現、前提が不足している箇所、断定しすぎている箇所を抜き出してください。修正案も一緒に出してください。
ここでは、文章をきれいにするよりも、相手が迷う場所を見つけることを優先します。
修正リストにする
見直し結果は、そのまま読んで終わらせず、修正リストにします。
おすすめの項目は次の五つです。
- 修正する箇所
- 読み手が迷う理由
- 修正案
- 確認が必要な相手
- 優先度
AIにこの形で整理してもらうと、自分で直す作業と、誰かに確認する作業を分けられます。
直さないことも決める
見直しをすると、細かい修正点がたくさん出ます。
すべて直そうとすると、提出が遅れたり、資料の目的から外れたりします。だからこそ、今回直すことと、今回は直さないことを分けます。
AIには、次のように依頼します。
修正リストを、提出前に必ず直すもの、余裕があれば直すもの、今回は直さなくてよいものに分けてください。
これで、提出前の見直しが作業として進めやすくなります。
実践:相手視点レビューシートを作る

第14話で作った提案書構成、または実際に作成した資料案を用意します。
AIには、次のように依頼します。
次の資料案を、読み手の立場で見直してください。読み手は社内の承認者です。結論、判断材料、費用や工数、リスク、次の行動が分かるかを確認し、修正リストを作ってください。修正リストは、修正箇所、迷う理由、修正案、確認が必要な相手、優先度に分けてください。
第15話で完成するのは、提出前に直すべき点が分かる相手視点レビューシートです。
次回の第16話では、依頼を受けてから提出するまでの流れを一つにまとめます。
まとめ
資料を見直すときは、誤字や体裁だけでなく、相手が判断できるかを確認します。
読み手を決め、知りたい順番、分かりにくい表現、修正の優先度を整理すると、提出前の作業が進めやすくなります。

